ANA vs JAL マイルはどちらで貯めるのが良いか比較してみました(前編:貯め方)
航空会社のマイルを貯めている人は多いと思いますが、皆さんANAかJALどちらで貯めていますか?
また折角貯まったマイルも、特典航空券に交換するのにちょっと足りないまま、有効期限が切れてしまったなんて経験ありますよね。
良く、ANAマイルは貯めやすく使いづらい、JALマイルは貯めづらく使いやすいとも言われます。 今日は、ANA vs JALどちらのマイレージプログラムが良いか比較したいと思います。
今回は私自身が日頃貯めている、フライトマイル、ショッピングマイル、ポイントサイトの3点に絞って検証したいと思います。
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目次
マイレージサービスの概要
マイレージサービスとは、会員旅客に対して、搭乗距離に比例したポイント(マイルと呼ばれています)を付与し、そのマイルに応じた特典航空券や座席のアップグレードなどを提供しています。
ANAでは、「ANAマイレージクラブ(AMC)」という名称で、JALでは、「JALマイレージバンク(JMB)」という名称のマイレージサービスを提供しています。
その他の各航空会社においても、同様のマイレージサービスを提供しています。Air DoならMy Air Do、スターフライヤーならSTAR LINK MEMBERSといった感じですね。 マイレージサービス自体は、顧客の囲い込みが目的ですので、入会費も年会費もかかりません。
マイルはどちらが貯めやすい?
ANAとJALのマイレージサービス、「ANAマイレージクラブ(AMC)」と「JALマイレージバンク(JMB)」は、基本的な構成はほとんど同じです。 ただ、後ほど説明する、ポイントサイト経由のポイント交換比率が大きく異なります。
ANA、JALのフライトでマイルを貯める(国内線)
ANAのホームページの記載ですが、
国内線フライトマイル = ご搭乗の区間基本マイレージ × 運賃種別ごとの積算率
で獲得できます。JALでも若干用語は違いますが、同じことです。要するにフライトの区間距離と運賃の種類によって、獲得できるマイルは決まります。
ANA | JAL | マイル積算率 |
---|---|---|
プレミアムクラス | ファーストクラス | 150% |
プレミアムクラスの 特割/旅割、株主優待 |
ファーストクラスの 特割/先得、株主優待 |
125% |
- | クラスJ | 110% |
普通運賃等 | 普通運賃等 | 100% |
- | クラスJの 特割/先得、株主優待 |
85% |
普通席の 特割/旅割、株主優待等 |
普通席の 特割/先得、株主優待等 |
75% |
パッケージ旅行/旅割X等 | パッケージ旅行等 | 50% |
*特典航空券やチャーター便等は、マイルを獲得できません。
ANAのプレミアムクラス、JALのファーストクラスはどちらも、国内線ラウンジの使用が可能で、機内での食事やアルコールの提供があります。 ただ、ANAのプレミアムクラスはかなりの便に設定があるのに対し、ファーストクラスは、羽田発の札幌、伊丹、福岡、那覇便しか設定が無く、さらに全便について設定がある訳ではありません。
(値段設定自体はANAの場合は、普通席プラス9,000円ですがJALは8,000円です。食事等のサービスはJALのが評判良さそうですね。)
<ANAプレミアムクラスの食事>
<JALファーストクラスの食事>
その一方、JALのみ、国内線の普通席より少しシートピッチが広い座席を、普通運賃よりプラス1,000円で提供しています。 提供される飲み物が一部違ったりしますが、特にそれ以外は普通席と変わりません。
プラス1,000円でマイル加算が10%増えますので、距離が長い区間だとお得にマイルが稼げます。
例えば、羽田空港から那覇空港までの片道の基本マイレージは984マイルですので、1,000円出費してクラスJにアップグレードすることで、98マイルを追加で獲得できます。
また、ANAでは、2016年後半より設定されました、新しい運賃の旅割Xは、マイル積算率がこれまでの旅割の75%ではなく50%になっていますので、ご注意ください。
JALカードツアープレミアム
JALカード会員なら、カード年会費に2,160円(税込)をプラスしてツアープレミアムに登録し、対象割引運賃でJALグループ便にご搭乗の場合、通常のフライトマイル*1にツアープレミアムボーナスマイルが加算され、合計で区間マイルの100%マイルがたまります。
即ち、安いチケットで飛んでも、100%マイルが加算されます。これを考慮するとJALのほうが有利ですね。
考察1:マイレージサービス自体は、ANAとJALどちらでも大差はありません。ツアープレミアムを考慮してJALの勝ち。(JAL1勝)
ANA、JALのフライトでマイルを貯める(国際線)
ANA、JALとも国内線同様、国際線でもマイルが獲得できます。基本的な考え方は同じ。
ただ、国内線と国際線で若干用語が異なります。
国際線フライトマイル = ご搭乗の区間基本マイレージ × 予約クラスごとの積算率
ANAのホームページの記載ですが、国内線だと「運賃種別ごと」と読んでいたのを「予約クラスごと」と記載しています。
予約クラスってなーにって方はこちらの記事を参考にしてください。
予約クラスも、基本的には国内線の運賃と似ています。要は高い運賃に対してはマイル積算率が高いです。 ただ、予約クラスで使う記号は、一定の傾向はあるものの、航空会社ごとに若干違います。
予約クラスごとのマイル積算率は以下のとおりです。
座席クラス | ANA | JAL | マイル積算率 |
---|---|---|---|
ファースト | F、A | F、A | 150% |
ビジネス | J | - | 150% |
ビジネス | C、D、Z | J・C・D・X | 125% |
ビジネス | P | I | 70% |
プレエコ | G、E | W・E*1 | 100% |
エコノミー | Y、B、M | Y・B | 100% |
エコノミー | U、H、Q | H・K・M | 70% |
エコノミー | V、W、S、T | L・V・S・O・G・R | 50% |
エコノミー | L、K | Q・N*1 | 30% |
*1:JALの一部の予約クラスではパッケージツアーの場合、50%になります。
ほぼANAとJALで同じような体験ですが、2社で若干違うところは、ビジネスの普通運賃はANAが150%の積算に対し、JALが125%になります。 とは言っても、ビジネスクラスの普通運賃は、ビジネス目的でない限り、それほど乗らないと思います。
あと気をつけなければならないのが、プレミアムエコノミーでは2社とも積算率100%ですが、JALの場合はパッケージツアーを使った場合は50%になるということです。
考察2:ANAとJALどちらでも大差はありません。ツアープレミアムを考慮してJALの勝ち。(JAL2勝)
クレジットカードによるボーナスマイル
ANA、JALともに提携クレジットカードを発行していて、保持しているとフライトごとにボーナスマイルが加算されます。
ANA | JAL | フライトマイル加算率 | 継続ボーナス |
---|---|---|---|
プラチナ | - | 50% | 10,000 |
- | プラチナ | 25% | 2,000 |
ゴールド | CLUB-Aゴールド | 25% | 2,000 |
ワイド | CLUB-A | 25% | 2,000 |
一般 | 一般 | 10% | 1,000 |
2社とも、フライトマイルに対する加算率です。 プラチナカードについては、ANAが50%加算に対し、JALだと25%ですので、若干低いですね。 それ以外はほとんど変わりません。
カード継続時のボーナスマイルは、ANAカードの場合は、単に年会費を払えば使用していなくても継続ボーナスマイルを獲得できます。 しかし、JALカードの場合は、JALカードを保持していて、さらに初回搭乗をすれば獲得できるので、少しハードルがあがります。
また、JALに比べて、ANAのほうがより多くのカード枚数を同時保有できますので、その分有利ですね。
ここでもプラチナカードで継続ボーナスが大きく異なります。 というのも、ANAカードの場合だと、一番年会費が安いプラチナであるANA JCBカードプレムアムでも75,600円するのに対し、JALならその半額程度の33,480円ですので、その差は大きいですね。
ANAのカードの種類についてまとめた記事については、こちらの記事を参考にしてください。
考察3:ANAとJALは、獲得できるマイルの差はそれほどでもありませんが、ANAはカードを死蔵していても獲得できるのでANAの勝ち。(ANAの1勝2敗)
提携している航空会社でマイルを貯める
ANA、JALとも世界的な航空連合(アライアンス)に所属しています。 それぞれ、ANAがスターアライアンス、JALがワンワールドです。
この二つ以外にも、デルタ航空が主導しているスカイチームがありますが、日本の航空会社で所属しているところはありません。
ANA(スターアライアンスと個別提携会社)
スターアライアンスは、ANA他、ユナイテッド航空、シンガポール航空、タイ航空、中国国際航空等、28社が加盟しています。
Member airlines - Star Alliance
これらの航空会社の飛行機に搭乗しても、ANAのフライトマイルは加算されます。 ただし、マイルの積算率は、だいたいは同じような体系ですが提携航空会社の予約クラスによって異なっており、エコノミークラスの安い予約クラス等は、ANAでは30%はマイル加算されましたが、全く加算されない場合もありますので注意が必要です。
また、スターアライアンスに加盟していない航空会社とも、個別にマイレージ提携している航空会社が11社あり、例えば、中東御三家の一角であるエティハド航空やガルーダ・インドネシア航空などがあります。 それらの航空会社の飛行機に搭乗しても、ANAマイルが加算されます。(下記は、個別提携会社の一部抜粋です。)
JAL(ワンワールドと個別提携会社)
ワンワールドは、JALのほか、アメリカン航空、British Airways、カタール航空、マレーシア航空等17社が加盟しています。
上記のチャートはJALのホームページからの転記ですが、JALもANA同様なマイル獲得の体系です。 個別提携会社としては、エミレーツ航空、バンコクエアウェイズ、JetStar(ジャパン)等があります。
この中で、JetStar(ジャパン)のみLCCですが、これはJALが共同出資して設立した会社なので、JALのマイルに加算可能なのですが、一部料金のみ25%の積算率で加算可能です。 ただ、JetStarでも、あくまでマイル加算の対象はJetStar(ジャパン)のみですのでご注意ください。
考察4:ANAとJALどちらでも大差はありません。(ANAの1勝2敗1分け)
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ショッピングで貯める
ANAカード及びJALカードでショッピングをしてもマイルは貯まります。 これらのカード以外でも、マイル交換の提携しているクレジットカードは多数ありますが、ここではこの2つのカードに絞って比較したいと思います。
また各カードにおいて、特約店等でマイル獲得が2倍になったりするサービスがありますが、大勢に影響を与えないのでここでは考慮していません。
ANAカードにおける決済ポイント
以下の表は、1,000円あたりのANAカード決済による獲得マイルの表です。
国際ブランド | 発行会社 | プラチナ | ゴールド | ワイド | 一般 | 交通系 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
VISA | 三井住友 | 15 | 14.5 | 14.5/9.5(*2) | 14.5/9.5(*2) | 14.5/9.5(*2) | - |
Master | 三井住友 | - | 14.5 | 14.5/9.5(*2) | 14.5/9.5(*2) | 14.5/9.5(*2) | - |
JCB | JCB | 13 | 10 | 10/5(*2) | 10/5(*2) | 10/5(*2) | 5 |
ダイナース | ダイナース | 20 | 10 | - | - | - | - |
Amex | Amex | 10 | 10 | - | 10 | - | - |
*2:1,000円あたり5マイルコースなら移行手数料は無料ですが、10マイルコースを選択すると、三井住友カードで6,480円、JCBで5,400円かかります。
ANAカードで決済すると、プラチナカードに分類されているカードでは、1,000円あたり、20マイルから10マイルまで獲得できます。 ゴールドカードだと1,000円あたり、14.5マイルから10マイル、一般カードでも14.5マイルから5マイル獲得できます。
仮に年間100万円程度カード決済しているのであれば、プラチナカードだと2万から1万マイル、ゴールドカードだと1.45万マイルから1万マイル、一般カードでも1.45万マイルから5千マイル獲得できます。
詳細については、下記の記事を参考にしてください。
JALカードにおける決済ポイント
以下の表は、1,000円あたりのJALカード決済による獲得マイルの表です。 JALカードは、ANAカードと違い、国際ブランドやカード発行会社によるマイル獲得率の違いは基本的にありません。
プラチナ | CLUB-Aゴールド | CLUB-A | 一般 |
---|---|---|---|
10 | 10 | 10/5(*3) | 10/5(*3) |
*3:別途ショッピングマイル・プレミアム(年会費3,240円)に参加すると、獲得マイルが1,000円あたり10マイルになります。参加しない場合は5マイルです。
JALのほうがシンプルといえばシンプルですが、結局どのカードも100万円決済しても1万マイル、CLUB-Aと一般カードの場合は、ショッピングマイル・プレミアムに参加しないと5千マイルです。
考察5:ANAのほうが一般カードでも獲得率が良いため、ANAの勝ち。(ANAの2勝2敗1分け)
陸マイラー(ポイントサイト)で貯める
ここまでは、基本的な2社のマイレージサービスの比較でしたが、ここからが今日の本題です。 というか、陸マイラーに足を踏み入れた人ならご存知ですが、フライトマイルやショッピングでは、大してマイルは貯まりません。
私の場合も、陸マイラーになる前は、フライトマイルはせいぜい年数千マイルで、ショッピングマイルは年間結構使っていましたので3万マイル程度は貯まっていました。 それでもあわせても、4万マイルもいかない程度です。
ポイントサイト経由では、桁が違って年間10万マイルから15万マイルはちょっとやればすぐ稼げます。20万マイル以上も夢ではありません。(ANAの場合)
ですので、クイズ番組ではないですが、ここまでの勝負は、ほとんどおまけみたいなもので、この最終項目だけでマイルの貯まり易さを判断しても良いくらいです。
ANAの場合
ANAの場合は、ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB)を所持していたら、各種ポイントサイト(ハピタス等)で獲得したポイントを、東京メトロポイント経由で90%の割合でANAマイルに交換できます。 このため、例えばクレジットカードの発行案件やFX案件、各種モニター案件で獲得したポイント等は、90%の割合でANAマイルに交換できます。
このあたりは、過去に何度か記事にしておりますので、こちらを参考にしてください。
FX案件では、一回で2万ポイント等を獲得できる場合がありますので、この一回で1万8千マイル獲得できます。
上記ANAのクレジットカードの決済で獲得しようとしたら、ワイドゴールドカードでも120万円ほど決済しなくてはなりません。
また、日頃のショッピングにおいても、ハピタス等を経由したらポイントの3重取り等ができますので、大変お得になります。
なお、ANAでも、Tポイントや楽天スーパーポイント等は、50%の割合でしかANAマイルに交換できません。
JALの場合
上記のポイントサイト、ハピタスのポイントをJALマイルに交換したらどうなるのでしょうか?
ポイント中継サイトの.money経由すると、2016年11月末までキャンペーンを実施していますので、若干レートが良くなっていますが、基本は50%換算、FX案件で2万ポイント稼いでも1万JALマイルにしか交換できません。
ちょうど11月末で終了するPontaからJALマイルの増量キャンペーンや定期的に実施しているdポイントの増量キャンペーン等で、50%に対して20から25%ほど良くなるとので、結果的に60%から62.5%程度になったりもしますが、ANAのソラチカルートのように、固定で90%の交換率というルートはありません。
また、クレジットカードの発行案件でANAカードは、カードごとに入会特典がもらえますが、JALカードはどのブランドでも1回のみですので、ここでも大きく差がつきます。
考察5:ここではANA側の圧勝!と言うわけで貯めやすさはANAで決まり。(ANAの3勝2敗1分け)
さいごに
この記事を書く前から、ANAのマイルのほうが貯めやすいことは分かっていたのですが、やはりその通りの結果になりましたね。
結果は、ANAの3勝2敗1分け。
JALの場合は、JALカードツアープレミアムに加入すると、フライトマイルでは有利になりますが、そもそもフライトではマイルはあまり貯まりません。 よっぽど会社の出張等で飛行機を多用している人はJALのほうがマイルを貯めやすいかもしれませんが。
貯めやすさだけではなく、使いやすさも考慮して比較しないとマイレージサービスの比較にはならないと思いますので、次はマイルの使いやすさも比較したいと思います。
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